長屋の外壁リフォーム...
長屋の外壁のリフォームです。 長屋住宅というのは連棟住宅ともいい、一つの棟を共有する棟続きの建物で、隣との壁も...
- 2022.12.13
長屋などの古家の全面改装リフォームを行う場合、構造や設備、あるいは内装などに加え、外壁をどのように改修するかという事も重要な要素のひとつになってきます。
せっかく全面的にリフォームするわけですから、長年放置されてきた外壁もおしゃれに、そして機能的かつ耐久性のある外壁に仕上げたいものです。
見た目も大事ということです。
例えば古くなったモルタルの壁は、きれいに塗り替えればいいのか?或いは流行りのサイディングは貼るとどうなるのでしょうか?
またトタン張りの外壁はトタンをはがしてまた何かを貼るのがいいのか?モルタル壁に仕上げることはできないのか?
などいろんな選択肢とともに何が正解かという事とその他にもいろんな疑問が出てきます。
何かを選択することによって大なり小なりメリットデメリットがあるものです。
では事例を見ながらその選択肢とメリットデメリットを考えていきましょう。
二戸一の長屋で隣は何年か前にリフォームしているようでサイディングが貼られています。
ボロボロのモルタル壁はところどころはがれています。
デザインではったタイルもはがれています。
隣の家との意匠性を合わせて正面だけ同様のサイディングを貼りました。
側面と裏面はコスト面を重視してモルタル補修及び塗装で仕上げています。
サイディングのメリットは耐久性とデザイン性にあります。
デメリットはコストの高さです。
こちらも連棟の長屋です。
40年から50年前は主流だったトタン波板。
すべてはがして金属サイディングを貼ります。
サイディングには窯業系サイディングと金属サイディングがあります。
リフォームには軽くて断熱性の高い金属サイディングが適しています。
サイディングはデザインも豊富ですがシンプルモダン調に仕上げるにはこの金属サイディングがお勧めです。
50年以上前によく使われていたタイル張りの外壁です。
当時は重厚感のある雰囲気で人気でしたが、今となっては古臭さしかありません。
タイルを落とさず既存タイルの上から金属系サイディングを張ります。
ちょっとデザインに凝ってツートンカラーに仕上げました。
現代風の外観に仕上がってます。
永らくメンテナンスがなされていないモルタル掻き落としの外壁です。
掻き落とし仕上げのモルタル壁は一度下地処理をしないと塗装はできません。
こちらも予算の都合上正面だけジョリパットで仕上げて、側面と裏面はシリコン塗装で仕上げました。
ジョリパットは欧風塗壁問うのがわかりやすい表現で、色やパターンの選択が豊富にあり、欧米各所の雰囲気を表現することができます。
こちらの物件はジョリパットのワイルドランダムというハンドメイド風な押さえ方をしており、南欧風に仕上がっております。
塗装や、塗壁のメリットは、サイディングよりコスト面のメリットがあります。
また職人による手作業なので既製品ではないオリジナリティに富んだ自分だけのたった一つの家を表現できます。
その分サイディング主流の昨今においては流行りのデザインに寄り添えないデメリットがあると言えるでしょう。
昔店舗だったお宅で、ショーケースなど店構えがあります。
このショーケースや店舗入り口を解体し玄関を造り、昔のサイディングをはがして、側面同様モルタル壁に仕上げます。
サイディングをはがしたのちラスカットを貼りモルタルを塗ります。
その後シリコン渡欧で仕上げました。
こちらはあえて正面だけアクセントをつけるわけではなく、他面と同様にモルタル壁にし、落ち着いた雰囲気の玄関を造りました。
コスト的にはモルタル下地を作る分、1工程多くかかるのでサイディング壁にした方がコスト的には安いとは思いますが、やはりコストだけが問題ではなく、どんな仕上げにしたいか、どんな家に住みたいかという事が重要だと思います。
京都の古い長屋です。
欠き落としの壁は築50年、当時のままです。
町家風に仕上げるには漆喰かジョリパットを施したいところですが、貸家で予算の都合上モルタルの補修後、白い壁に塗装で仕上げました。
廻りの木部を濃い茶色で引き立たせ、町家風の雰囲気を演出しています。
サイディング壁、モルタル壁にはそれぞれメリットデメリットがありますが、コスト面、耐久性、デザイン性、あるいは断熱性や耐震性などそれぞれの要素を占めるメリットデメリットがあります。
またリフォームにおいては概ねどちらを選択しても施工は可能です。
それぞれの要素と向き合いながら、しかし最後はやはりどんな家に住みたいかという自分の思いを選択されることが一番大切なことだと思います。
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